2022年6月20日、梅雨真っ盛りに南アルプスの女王「仙丈ヶ岳」に登ってきました!
登ったルートは小仙丈尾根ルート。日帰りも可能で初心者の人にもオススメです。
予報では、天気は朝からガッツリ雨。
「これだと眺望は期待できないかも…」
と思っていましたが、奇跡的な晴れ間が!
(途中からは雨でしたが満足!)
今回の記事では、その時の登山の様子とともに、仙丈ヶ岳のオススメルート、アクセスなどについてご紹介します!
これから仙丈ヶ岳登山を考えている人の参考になれれば幸いです。
- 仙丈ヶ岳への登山を考えている
- 6月の小仙丈尾根ルートの様子を知りたい
- 仙丈ヶ岳登山口(北沢峠)までのアクセス方法を知りたい
仙丈ヶ岳ってどんな山?
仙丈ヶ岳は南アルプスの北側にある標高3,033mの山。
- なだらかで優美な山容
- 山頂付近にある3つのカール(小仙丈、藪沢、大仙丈沢)
- 高山植物の宝庫
といった特徴をもち、「南アルプスの女王」とも呼ばれています。
日帰りで登るのは難しい山が多い南アルプスですが、仙丈ヶ岳はアクセス良好で日帰りでも十分に登山が可能。
危険な箇所も少ないので、「南アルプス入門の山」として選ばれることが多い人気の山です。
名前:仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ)
標高:3,033m
所在地:山梨県南アルプス市、長野県伊那市
登山口までのアクセス:南アルプス林道バス(仙流荘~北沢峠)を利用
その他:日本百名山、花の百名山、山梨百名山、信州百名山
仙丈ヶ岳の登山口(北沢峠)までのアクセス
仙丈ヶ岳の登山口「北沢峠」までのアクセス方法についてご紹介します。
北沢峠までのアクセスには仙流荘から南アルプス林道バスを利用する
「北沢峠」がある南アルプス林道はマイカー規制を行っているため、一般車は通行禁止。
登山者は「仙流荘」バス停から、南アルプス林道バスを利用して「北沢峠」までアクセスします。
所要時間(仙流荘~北沢峠):55分
仙流荘前のバス亭
仙流荘バス停付近の様子
仙流荘前にあるバスのりば。
ここで北沢峠までの切符を購入して、順番に並びます。
僕が行ったときは20名ほどの登山者しかいませんでしたが、夏のハイシーズンには長蛇の列ができるとのこと。
仙流荘前までマイカーで行く人は、近くにある利用者駐車場に車を止められます。
駐車場には前日から泊まっていたであろう県外ナンバーの車がチラホラ。
仙流荘から運行するバスは、時期や曜日によって変わります。
北沢峠まではこちらの小型バスに乗車します!
かわいい(笑)
所要時間は約55分。ザックは膝の上に抱えて座ります。
北沢峠の様子
登山口の北沢峠。
「仙丈ヶ岳」だけでなく、同じく百名山の「甲斐駒ヶ岳」の登山口としてもよく利用されます。
付近には山小屋が何軒かあるので、山小屋に宿泊して1泊2日で「仙丈ヶ岳と甲斐駒岳を両方登る」という行程も人気。
※じつは今回僕も↑の行程をとっており、長衛小屋にテント泊して1日目は甲斐駒岳・2日目は仙丈ヶ岳へ登ってきました!
北沢峠には立派なトイレも。
今回のルートだと山頂付近にある仙丈小屋まで行かないとトイレがありません。
トレイは北沢峠で必ず済ましておいてください!
日帰り可能・初心者にもオススメの小仙丈尾根ルート
今回ご紹介するルートは“小仙丈尾根ルート”。
北沢峠からピストンで仙丈ヶ岳を目指すルートで、日帰りも可能です。
はじめは黙々と樹林帯を歩いていくのですが、6合目あたりで稜線に出て絶景の尾根歩きを楽しめます!
岩場もありますが、そこまで難しい箇所はないので「南アルプスは初めてなんですけど…」という初心者の人にもオススメです。
- コース
登り:北沢峠 →(100分)→ 大滝の頭 → (60分) → 小仙丈ヶ岳 → (65分) → 仙丈ヶ岳
下り:仙丈ヶ岳 →(60分)→ 小仙丈ヶ岳 → (45分) → 大滝の頭 → (70分) → 北沢峠 - 所要時間:約6時間40分(登り:3時間45分 下り:2時間55分)※休憩時間はのぞく
- 標高差:約1,000m
- トイレ:北沢峠・仙丈小屋にあり
- その他:簡単な岩場あり
小仙丈尾根ルート【登山レポート】
ここからは6/20実際に歩いたときの写真とともに、小仙丈尾根ルートをご紹介します!
出発は北沢峠から。
僕の場合は前日に長衛小屋でテン泊していたので、早朝4時頃から歩きはじめました。
前日の段階では天気予報は一日雨。
ということもあり、朝起きるまではまっっっっったく期待せずに「仙丈に行くの辞めようかなー」とも思っていました(笑)
でも、朝起て空を見るとチラホラと綺麗な星が!
「もしかして晴れて良い景色を楽しめるかも?」と少しの期待を持ちつつ仙丈ヶ岳を目指すことに。
歩きはじめて2時間ぐらいはひたすら樹林帯が続きます。
ルート上には、○合目と表示のある標識やしっかりと整備されています。
目安が分かるのは助かりますね。
この時はまだガスり気味だったので、天気に対しては不安を抱いたままでした。
しかし!まったく期待してなかった太陽の光が森の中に!
まさかの展開にテンションが上がってきます…!
樹林帯で見つけた「ファイト!」の文字。
ちょっと励まされました(笑)
歩きはじめて約2時間で5合目の「大滝の頭」に到着!
ここが小仙丈尾根コースと藪沢コースの分岐点。
今回は小仙丈尾根コースに入りたいので、直登して稜線を目指します。
大滝の頭を抜けると、登山道上に岩が増えてきてガレ気味の道になってきます。
6号目あたりから稜線に出てハイマツ帯へ。一気に展望が広がります!
予報が外れて天気が良いことにびっくり!出発して良かった…!
振り返ると、存在感たっぷりの山がそびえ立っていました!
こちらは甲斐駒ヶ岳。
なだらかで女性的な仙丈ヶ岳とは打って変わって、岩が露出した雄々しい男性的な山容が特徴的。
カッコいい!
甲斐駒岳、仙水峠、栗沢山をのぞむ。
森の緑が濃くて深い。
稜線に出ると360°どこ見ても絶景!
雲は出ていますが、十分に眺望を楽しめました!
遠くに見えている雪を被った山は北アルプスかな?
別の方向には富士山の姿も。
大滝の頭から約1時間で小仙丈ヶ岳へ到着!
仙丈ヶ岳の姿をついに拝むことができました。
6月下旬だと、まだこれぐらいの残雪があるんですね。
手前に見えているカールが「小仙丈沢カール」、奥のカールが「大仙丈沢カール」です。
こうやって見ると、たしかになだらかで優しい山容をしていますね。
「南アルプスの女王」と呼ばれるのも納得。
小仙丈ヶ岳で景色を堪能したら、いよいよ仙丈ヶ岳山頂に向けて出発です!
ただ、「なんか雲が出てきてるよな…」と漂う一抹の不安…。
はい、不安的中。
小仙丈ヶ岳を抜けて、10分ぐらいで一気にガスが。
さっきまであんなに良い景色が見えていたのに、あたりがドンドン白くなっていく…。
登山道上には少し残雪がありました。
今回はチェーンアイゼンを使いませんでしたが、6月の登山だとお守りとして持っていったほうが良さそうですね。
しまいには雨まで降ってきました。
小仙丈尾根ルートの稜線上は、基本的に岩の道。
雨が降ると滑りやすくなるので、晴れているときよりも一層の注意が必要です。
小仙丈ヶ岳から約1時間。
ついに山頂に到着!
雨が強く降っていたので、写真だけサッと撮って退散しました(笑)
下りも同じルートで北沢峠へ。
雨じゃなければ、仙丈小屋にも立ち寄りたかったー。
でも、仙丈ヶ岳の姿も見られたし、眺望も楽しめたので満足!
次はもっと緑が濃くなって、高山植物が咲き誇る7月下旬~8月ぐらいに来てみたいですね!
小仙丈尾根ルートの注意点
水場がないので気をつけて!
今回のルート上には、水を補給できる地点がありません。
(山小屋に立ち寄れば補給は可能ですが…)
しかも、山容がなだらかとはいえ、北沢峠から仙丈ヶ岳までは約1000mの標高差があり急勾配です。
水不足にならないように、十分な水の準備を忘れないようにしてください。
天候の急な変化や気温差には注意!
今回のように山では、急に天候が変化することがあります。
しかも、仙丈ヶ岳は日帰り可能で登りやすいとはいえ3000m級の高山。
平地とは約20℃ぐらいの気温の差があります。
決して油断せず、
- レインウェア、防寒具、ヘッドランプ、非常食、地図などの装備をしっかりと準備する
- もしものときのための登山届を出しておく
- 自分の体力と天候をみながら、無理のない計画を立てておく※時には引き返すのも大事
といったことを忘れないようにしてください!
体力、体調は万全に
今回ご紹介したルートは「日帰り可能で南アルプス初心者にもオススメ」です。
ですが、言うまでもなく決して「楽に登れるルート」ではありません。
登山を考えている人は日頃の体力作りと体調管理を万全に、十分に準備して望んでください!
まとめ:仙丈ヶ岳は初めての南アルプス登山に最適!
今回の記事では、仙丈ヶ岳の「小仙丈尾根コース」の登山レポートをお送りしました!
他にも、藪沢小屋と仙丈小屋を経由する「藪沢ルート」も人気があり、どちらのコースも日帰りが可能です。
仙丈ヶ岳は登山口までのアクセスが良好で、南アルプスの中では比較的登りやすい山です。
「初めての南アルプスどこに行こうかな…」と悩んでいる人は、仙丈ヶ岳登山を考えてみてはいかがでしょうか?