2022年8月、一泊二日で八ヶ岳の蓼科山に下記の行程で登ってきました!
- 1日目:蓼科山登山口~山頂~蓼科山頂ヒュッテ泊
- 2日目:蓼科山頂ヒュッテ~七合目登山口
天気が悪くて眺望は楽しめませんでしたが、
- 時間に余裕があってのんびりできた
- 岩場が多く天然アスレチック感があって楽しかった
- 縞枯れや苔の景観など八ヶ岳の自然の雄大さを体感
- 山頂ヒュッテの雰囲気や食事が最高
と2日間を大満喫!
これから3回の記事に分けて、蓼科山の登山コースや山頂ヒュッテの様子をご紹介していきます!
蓼科山を登りたいんだけど、どんな雰囲気なんだろう?
蓼科山を登りたいんだけど、山頂ヒュッテに泊まろうと思うんだけど、どんな山小屋なのか知りたい(汗)どんな雰囲気なんだろう?
などと考えている人の参考になると嬉しいです。
- 蓼科山の概要・主な登山ルート
- 蓼科山登山口までのアクセス
- 蓼科山登山口~山頂までの登山レポート(登山1日目)
蓼科山ってどんな山?
蓼科山(たてしなやま)は、八ヶ岳連峰の北端に位置する火山です。
- 「諏訪富士」とも呼ばれる美しい円錐形の山容
- 広々とした360℃の絶景が楽しめる山頂
- 日帰りから宿泊まで、様々なコースで登山ができる
といった特徴から、八ヶ岳入門の山として多くの人に親しまれています!
名前:蓼科山(たてしなやま)
標高:2,531m
山域:八ヶ岳
所在地:長野県茅野市・北佐久郡立科町
その他:日本百名山、八ヶ岳中信高原国定公園内
蓼科山の主な登山ルート3選
こちらでは、蓼科山の主な登山ルートを3つご紹介します。
どのルートでも日帰り可能。それぞれ駐車場があるので、アクセスはマイカーがオススメです。
①七合目登山口ルート | 最短で山頂に行くならここ!
- コースタイム:約3時間10分(往復)
- 距離:約5km(往復)
- 標高差:約630m
- 登山口:七合目登山口(蓼科山七合目駐車場付近)
- 駐車場:約100台※無料
- 登山口の情報(その他):トレイあり、水場なし
山頂まで最短で行くならこちら。
七合目の鳥居からスタートして、約1時間で蓼科山荘がある将軍平へ。
そこから約30分でクサリや岩場を登りながら山頂を目指します。
蓼科山で一番人気のあるルートです。
②大河原峠ルート | なだらかなコースがいい人はこちら!
- コースタイム:約3時間30分(往復)
- 距離:約6km(往復)
- 標高差:約500m
- 登山口:大河原峠
- 駐車場:約50台※無料
- 登山口の情報(その他):トレイあり、水場なし
こちらも人気ルート。
大河原峠からスタートして、約1時間40分で将軍平へ。
そこからは、七合目登山口と同じコースで山頂を目指します。
七合目登山口ルートと比べると距離とコースタイムは長めですが、標高差が低く道もなだらか。
高低差があるコースを避けたい人にオススメです。
③蓼科山登山口ルート | 急登を上がって山頂へ!
- コースタイム:約4時間40分(往復)
- 距離:約6km(往復)
- 標高差:約810m
- 登山口:蓼科山登山口(すずらん峠園地駐車場付近)
- 駐車場:約30台※無料
今回ご紹介した3コースの中で、唯一バスで直接アクセスできる登山口がこちら。
登山口から10分ほど平坦な道を歩いた後は、急登がずーっと続くコースです。
後ほど、写真付でコースをご紹介しますが、なかなか登り応えがあります(笑)
初心者の人は、このコースよりも七合目登山口から登るのが良いと思います。
ただ、七合目登山口と比べると人も少ないため、静かに登りたい人にオススメです。
歩いたルートは蓼科山登山口~山頂ヒュッテ泊~七合目登山口
僕が今回歩いたのは下記のルートでした。
- 1日目:蓼科山登山口ルートで山頂へ→蓼科山頂ヒュッテ泊
- 2日目:蓼科山頂ヒュッテから七合目登山口ルートで下山
七合目登山口ルートと蓼科山登山口ルートを比べると、圧倒的に七合目登山口から登る人のほうが多かったです。
蓼科山登山口までのアクセス
蓼科山登山口へは下記2つの方法でアクセスできます。
- 車で「すずらん峠園地駐車場」に駐車して登山口へ
- 茅野駅からバスに乗車し「蓼科山登山口バス停」で下車して登山口へ
車で「すずらん峠園地駐車場」にアクセス
すずらん峠園地駐車場は、蓼科山登山口のすぐ近く(約100m)にあります。
駐車可能台数は30~40台。無料で駐車可能です。
このあとで紹介する茅野駅発のバスは本数が極端に少ないです…。
なので、手配できる人は登山口まで車でアクセスするのをオススメします。
茅野駅から蓼科高原ラウンドバスで「蓼科山登山口バス停」にアクセス
蓼科山登山口最寄りのバス停は「蓼科山登山口」です。
バスで登山口にアクセスする場合は、茅野駅発の「蓼科高原ラウンドバス」を利用(約50分)します。
蓼科高原ラウンドバスは夏季のみの季節運行です!ご注意ください!
今回、僕はバスに乗って登山口へアクセスしました!
茅野駅西口前にあるバス乗車券売り場でチケットを購入。
バスの運営元はアルピコ交通さんです。
2番のバス停で蓼科高原ラウンドバスに乗車して「蓼科山登山口」へ。
所要時間は約50分です。
こちらが降車場所の「蓼科山登山口」バス停。
目の前には女乃神茶屋があります。
(2022年8月時点では休業中でした)
バスで乗車できるのはありがたいのですが、本数が非常に少ない(1日2本程度)うえに夏季のみの運行ということで使いづらいところがあります。
バスの時刻と運行状況は必ず事前にチェックしてくださいね!
【登山レポート】蓼科山登山口ルート(登山口→蓼科山山頂)
ここからは、2022年8月実際に登ったときの写真とともに蓼科山登山口ルートの様子をご紹介していきます!
「蓼科山といえば360℃の絶景だよね!」
と期待している人もいるかもしれませんので、初めに宣言しておきますが…
眺望はほぼ0でした!笑
蓼科山登山口→山頂ルートの概要
ルート:蓼科山登山口→ 幸徳平 → 蓼科山山頂 → 蓼科山頂ヒュッテ
コースタイム:約3時間
距離:約3.1km
標高差:約810m
蓼科山登山口(女乃神茶屋前)→ 急登開始
スタートは蓼科山登山口。
前述のとおり、僕はバスで登山口までアクセスしました。
バス停から50mぐらいの場所に「すずらん峠園地駐車場」があります。
駐車場のすぐ脇には立派なバイオトイレが。
蓼科山登山口ルートは山頂までトイレが一切ありません。
登山前にここでトイレを済ましておくことを強くオススメします!
トイレには登山計画書を記入・提出するためのポストが併設されています。
登山届を出し忘れた人は、こちらで提出可能です。
僕は事前に電子申請サービスを利用して登山計画書を提出しておきました。
電子申請は当日記入する手間もなくなるし便利なので、長野県で登山をする人はぜひ利用してみてください。
身支度を終えたら、いよいよ登山口へ向かいます!
登山口は女乃神茶屋の真向かいにあるバス停のすぐ脇にあります。
登山口 → 蓼科山南西2110m
登山口はこんな感じ。
ちなみに、僕が登った日の天気は「1日中くもり」の予報。
前日までは台風8号の影響で雨が降っていました。
でも…
こんな景色が少しでも見たいと願い出発!
心のなかでは、
「予報では”くもり”ってなってるけど、台風一過で晴れるんやない?」
という淡い期待を抱いていました(笑)
登り始めて10分ぐらいは、笹が広がるゆるやかな道が続きます。
前日までの雨の影響で登山道の路面には所々にぬかるみが。
雨が降った直後の場合は「スパッツつけて登るほうが快適やなぁ」と感じました。
10分ぐらい歩くと、道がだんだんと急登に。
登山道上にも岩が出てきます。
ここからが、蓼科山登山口ルートの真骨頂!
山頂までひたすら急登を登り続けることになります。
急登を登りきって、一息ついた場所にあった道しるべ。
ここで進行方向を見上げると・・・。
こんな感じでゴツゴツとした岩が転がる急登がさらに続いていました・・・!
なかなか登り応えのありそうな予感・・・。
写真のような大きな岩がある道を進むので、歩くスピードは上がりづらかったです。
さらに登っていくとこんな光景が。
森全体がガスに包まれていて幻想的。
けっして「良い天気!」とはいえませんが、思わず目を奪われる光景です。
なんだか、モノノ怪とかが出てきそうですよね。
ガスに包まれた登山道をしばらく歩いて振り返ったときに、一瞬だけ見えた景色がこちら!
遠方にある町並み?がチラリと見えました!
まぁ、そのあとすぐにガスに包まれて真っ白になってしまいましたが・・・。
ちなみに、これが初日に蓼科山から見えた唯一の眺望です(爆)
登山開始から約60分、標高2,110mの地点に到着です。
ここでやっと半分ぐらい。
ちょうど開けて休憩できそうなスペースがあったのでちょっと休憩。
蓼科山山頂南西2110m → 幸徳平 → 蓼科山南西2,450m
標高2,110m地点で少し休憩したら、再出発です!
ほんの数分ですが、しばらくはなだらかな道が続きます。
なだらかな道で余裕が出てきたので、ふと登山道脇を見ると美しい苔の世界が広がっていました。
八ヶ岳や南アルプスは、ほんまに苔がキレイですよねー。
標識に「幸徳平」と書かれた地点に到着。
ここは名前のとおり、地面が「平(たいら)」で休憩しやすそうな場所でした。
蓼科山登山口ルートは「ほぼ直登」で平地が少ないため休憩できる場所は貴重です!
しっかりと休憩をとりたい場合は、先程の「標高2,110m地点」か「幸徳平」のどちらかがオススメです。
幸徳平を抜けると、「とっていいのは写真だけ」の看板が。
この先から、蓼科山登山口ルートで最もキツイ急登がはじまります!
デカい岩がゴロゴロと転がっている道をひたすら登ります。
気分は修行僧でした(笑)
歩く地面の様子はこんな感じ。
大きな岩だけでなく、小さな石も転がっているので、しっかり足を置かないとフラフラします。
1歩1歩着実に進みます…!
大きな石に足を置くために、ガバっと足を上げる場面も何度もありました。
このとき、先月レビュー記事を書いた『モンベル O.D.パンツ ライト Men’s』が活躍してくれました!
ストレッチ性が抜群やったんで、歩きやすかったですね。
あと、両手で大きな岩をつかむ場面が何度もあったので、手袋を着用したほうが安心でした。
登っていると、枯れた木が目立つようになってきました。
これは「縞枯れ(しまがれ)」と呼ばれる現象。
シラビソやオオシラビソがある亜高山帯で見られる現象で、八ヶ岳の縞枯山や蓼科山は大規模なものが見られることで有名だそうです。
そして、僕が1日目に最も感動したのはこの「縞枯れの景観」でした。
立ち込めたガスと縞枯れが合わさって、なんともいえない神秘的な雰囲気になっていたんですよね…。
気に入った場所から何度もパシャパシャと写真を撮影。
八ヶ岳の自然が作る絶景を十分に堪能しました。
縞枯れの森を抜けると、岩に「山頂」と書かれたペンキが!
森林限界を抜けて、ガラッと景色が変わります。
山頂まであと少しです。
蓼科山南西2,450m地点。
このあたりからは今までの登山道と違い、岩を飛び移るようにして進んで行く感じになります。
岩と岩の隙間が大きい場所もあるので、つまづいたり、足がはまったりしないよう慎重に進みましょう!
蓼科山南西2,450m → 山頂
山頂付近は一面が岩だらけの同じ景色で、道がはっきりとしていません。
オレンジ色のポールと岩にペンキで書かれた矢印を目印にして進んでいきます。
ガスで視界が悪かったので、このポールがなかったら迷ってたかもです…。
普段は何気なく登ってしましいますが、こういうときに「登山道を整備してくれる方がいてくれてほんまにありがたいなぁ」と思います。
所々でピョンピョンと岩を飛び移るように進んでいきます。
こういう道が嫌いな人もいるかもしれませんが、個人的には天然アスレチック感があってけっこう楽しかったです。
建物が見えてきました!
今晩、宿泊予定の蓼科山頂ヒュッテです。
宿に入る前に山頂へ向かいます。
ヒュッテから山頂までの距離は50mぐらいです。
蓼科山山頂(標高2,531m)に到着!
登りきってみると、「蓼科山登山口ルートは急登が続く中々のハードコースだなぁ(汗)」と思いました。
途中に水場やトイレもないですしね。
ネットなどで調べてみると「初心者向けコース」と紹介されているものもありましたが、「まったくの登山初心者には向かないかな?」という感想です。
それにしても・・・
白い!
360℃白いです!笑
眺望は絶望的(登っている時からそんな予感はしてましたが・・・)なので、山頂で長居はせずに早々にヒュッテに行くことにしました。
本当な↑の写真のような360℃の大パノラマが見えるはずやったんですけどね…。
まぁ、仕方ない!
一瞬だけガスが薄くなって見えた山頂の景色。
岩で埋め尽くされた景色は独特で神聖な空気感がありました。
ガスで気づかなかったのですが、山頂の中心には蓼科神社の本宮があったそうです。
次に行った時には、ちゃんとお参りしよう。
ヒュッテに到着!
というわけで、蓼科山頂ヒュッテに無事到着!
「ようこそ!心のふるさとへ」という看板にちょっとホッコリ。
ヒュッテの様子は、次のブログ記事で詳しくご紹介しますね!
蓼科登山口ルートを登ってみて気になったところ
最後に蓼科登山口ルートを登っていて気になった点をあげておきます。
- 蓼科山登山口ルートは急登が続く→初心者にはしんどいかも
- コースタイムより時間がかかる→余裕をもった時間設定を
蓼科山登山口ルートは初心者にはオススメできない!?
何度もご紹介していますが、蓼科山登山口ルートは急登が続くコースです。
それに、後半は岩場になりますし、途中でゆっくり休憩できる場所やトイレもありません。
なので、まったくの初心者(登山を初めたばかりの人)には「オススメできないかな?」と思いました。
「初心者だけど蓼科山に登りたい!」という人は、素直に1番人気でコースタイムも短い”七合目登山口ルート”から登るのがオススメです。
(どちらにしろ最後は岩場が出てきますが)
コースタイムより時間がかかる
僕はほぼコースタイム通り歩けましたが、ヒュッテで一緒になった人に聞いてみると…
「蓼科山登山口から来たけどコースタイムより時間がかかった!このルートが片道3時間は嘘だよ~」
と言ってる人が数人いました。
急登が続く&岩がゴロゴロして歩きづらいので、思っていた以上に時間(コースタイム×1.3ぐらい?)がかかったようです。
急登や岩場が多い道が苦手な人は、コースタイムより時間がかかると想定して行程を組むことをオススメします。
手袋はあったほうがいい
途中から両手で岩をつかむ場面が出てくるので、「手袋」はあったほうがいいです。
登山を初めたばかりで、「まだ持っていないなー」という人は購入を検討してみてください。
(購入する際は店頭でぜひ試着してくださいね!)
参考情報
蓼科山の天気(てんきとくらす)
八ヶ岳アルペンナビ
まとめ
蓼科登山1泊2日DAY1(蓼科登山口ルート)の登山レポートをお送りしました!
残念ながら山頂で眺望は見えませんでしたが、縞枯れや苔の景観を堪能し、岩場歩きなどが楽しめたので満足です!
次の記事では、宿泊した蓼科山頂ヒュッテの様子をご紹介しますね。
(とても素敵な山小屋でした!)
ではまた!