「山で仕事をしてて登山が好き!」という話を知人にすると、
登山をはじめたいんだけど、何の道具から揃えばいいの?
と聞かれることがあります。
同じような悩みがある人も多いですよね。
僕も登山をはじめた当初は「道具や装備の種類の多さとすべてを揃えようとすると莫大なお金がかかること」に悩まされました…。
今回の記事では「初心者が登山を始めるときに揃えておきたい道具と装備」について紹介していきます。
これから登山を始めようと考えている人の参考になれば幸いです!
大前提:必要な装備は登山のスタイルによって変わる
まず大前提として、必要な装備は登る山や季節、ルートによって変わります。
同じ山でも、
夏は往復3時間で登れるのに、冬に行くと往復8時間でアイゼンやピッケルが必要に…
なんてところもザラにあります。
今回は初心者向けということで、こんな感じの登山を想定した装備ということで考えてみました!
- 往復3~4時間以内で日帰り登山ができる山
例)高尾山や三頭山 - 季節は春~秋ぐらいで雪がないとき
初心者だと、これぐらいの山から始める人が多いと思います。
まずは揃えたい登山の必須装備5つ!(三種の神器+2)
はじめに登山をするなら揃えておきたい必須装備5つをご紹介します!
じつは、登山には「三種の神器」と言われている道具があります。
それがこちら↓
登山を始める際には、これら「三種の神器」と下記の2つを必須装備として用意するのがオススメです。
それぞれ装備について詳細を解説していきますね!
レインウェア:あって絶対に損はない、というか必須
「三種の神器」のなかで、最も重要なのがレインウェアです。
「雨と汗から身体を守り冷やさないようにする」というのは登山をするうえでは死活問題。
登山をするなら、上下セパレートで防水性と透湿性のあるレインウェアを真っ先に用意してください。
雨の日に登山なんてしないし、傘やビニールのカッパで十分なんじゃないの?
なんて考えてはいけません!
山の天候は不安定で突然の雨が降ることなんてよくある話。
さらに、風が強いと傘は壊れて使えませんし、ビニールのカッパの脆弱な防水性では身体を雨から守りきれません。
たとえ夏場でも、身体が濡れて冷えてしまうと低体温症になることもあります。
そんな悲惨なことにならないように、レインウェアは必要なんです。
それに、上下セパレートのレインウェアなら、ちょっと寒いときや風が強いときの防寒着としても使えて何かと便利!
あって絶対に損はない。というか必須の装備です
レインウェアのオススメは「GORE‑TEX(ゴアテックス)」という防水と透湿性に優れた素材で作られたもの。
防水透湿性が高いと外からの雨はしっかり防いでくれて、かつ服の中の汗は外に出してくれるので快適に登山ができます。
ただ、GORE‑TEXで作られた製品は高いんですよね…。
僕は登山を始めた当初、ミズノの「ベルグテック」というレインウェアを使っていました。
ゴアテックス製ではありませんが、防水透湿性に優れていて価格も手頃なのでオススメです。
里山とかを散策するときには、今でもこのレインウェアを持っていきます。
登山靴:まずは足に合う一足を見つけよう
もう一つの「三種の神器」でもある登山靴も初めに揃えておきたい装備です。
たしかに、高尾山ぐらいならスニーカーや運動靴でも歩けちゃいます。
ただ、
石が転がったり、木の根っこが出てる登山道の上を歩くときは、ペラペラのスニーカーよりもソールがしっかりとしてグリップ力もある登山靴のほうが格段に快適で安全
です。
当然ですが登山をするために作られた靴ですからね!
それに、レインウェアと同じく靴も雨に濡れない防水性が重要。
これから登山をはじめて色んな山に行きたい!
という場合は、早めに自分の足に合う登山靴を買って履き慣らしちゃいましょう。
そして、靴を選ぶときに一番重要なのは、
自分の足に合うか
です。
どんだけデザインが気に入っても、自分の足に合わない登山靴は絶対にNG。
合わない登山靴で登山をするのは、ただただ苦行です…。
なので、登山靴は必ず店頭で試し履きをしたうえで選んでください。
石井スポーツや好日山荘、mont-bellなどのアウトドアショップにいけば、店員さんが親切に教えてくれます。
ちなみに、登山靴は足首周りの高さの違いで3タイプに分けられます。
- ローカット…靴の高さがくるぶしぐらいまでのタイプ
- ミッドカット…靴の高さが足首を覆っているなかで短めのタイプ
- ハイカット…靴の高さが足首を覆っているなかで長めタイプ
このなかで一般的に初心者にオススメされるのはミッドカットの登山靴です。
ですが、僕は足の動きが軽快になるほうが歩きやすいのと軽さ重視なので、春から秋の登山だと基本ローカットの登山靴を使ってます。
「どのタイプの登山靴にするか?」は悩ましいところなので、これもお店で店員さんに相談しながら決めるのがオススメです!
自分の登山スタイルや体力に応じて適切な靴を提案してくれますよ!
ザック:家にあるリュックでも代用できるけど、長く登山をするなら初めに揃えたい
「三種の神器」さいごの一つが登山用のザック(リュック)です。
これも、1度だけ高尾山に行く程度なら家にあるリュックで代用できないことはありません。
でも、これから登山をはじめて何度も山に行くなら、最初に揃えておいたほうが絶対に良いです。
登山用のザックには、少しでも荷物を快適に運べるように様々な工夫がされています。
- 肩だけでなく腰でザックを支えるためのウェストベルト
- ザックを身体に固定するための各種ベルト
- ザックを背負ったときに重さが分散するように設計された背面のフレーム
- 色んな道具を入れられるようにたくさん付けられているポケット
登山をするなら登山用のザックが一番です。
ザックの容量も色々ありますが、日帰り登山をするなら20~30リットルものがあれば十分。
個人的には、30リットルぐらいだと山小屋泊でも対応できるので、まずは買うザックとしてオススメです。
僕は容量違いでグレゴリー、オスプレイ、mont-bellザックを持っていて、登山スタイルによってザックを使い分けています。
登山靴ほどシビアではないですがザックも「身体に合うor合わない」があるので、ぜひ店頭で実際に背負ったうえで選んでみてください!
ヘッドライト:いつどんな時でも必ず持っていこう
三種の神器ではないですが、ヘッドライトはめっちゃ重要。
山にはもちろん外灯なんてないので、日が暮れると真っ暗で行動不能です。
そんなときは、ヘッドライトの明かりが唯一の助けになります。
スマホにもライト機能はありますが、手が塞がってしまって危険なのでオススメできません。
たとえ日帰りで日没までかからないような登山を計画していても、“もしも” のときのためにヘッドライトは必ず持っていってください。
地図:アプリと紙を併用するのがオススメ
“地図” も登山をするなら揃えておくべき必須アイテム。
知り合いの山岳救助隊の人が話していましたが、山で道迷いをする人の原因の多くは、
「自分の現在地が分かっていないこと」
です。
登山をするなら地図を持参して必ず自分の現在地を把握する癖をつけましょう。
最近はスマホのアプリでも便利なものがたくさん出てます。
オススメは「アプリの地図+紙の地図」を併用すること。
僕はYAMAPアプリの地図を基本で使いつつ、紙の地図も持参して状況によって使い分けるスタイルです。
紙の地図があればスマホのバッテリーが切れてアプリが使えない時でも安心ですし、登山ルートの全体感を掴みたいときには紙のほうが重宝します。
他にあったほうがいいもの:家にあるもので代用できる…かも?
ここからは、先程の必須装備5つ以外で登山をはじめるときにあったほうがいいものをご紹介します。
どれもあったほうがいいのですが、登山を始めた当初は家にあるもので代用できそうなものがいくつかあります。
アンダーウェア、Tシャツ:速乾性が重要、綿はNG
登山の際に素肌に触れるアンダーウェアやTシャツは重要です。
大事なのは汗を素早く乾かす “速乾性” があること。
なので、綿素材のような汗が乾きづらいものはNG。
もし自宅にスポーツ用の速乾性Tシャツなんかがあれば、初めのうちはそれで登山をするののありだと思います。
僕も登山を始めたときはウェアを揃えるのが難しかったので、前から自宅にあったスポーツ用の速乾性Tシャツで登っていました!
今はmont-bellのウィックロンシリーズがお気に入りで、6着を使い回しています。
登山用パンツ:ストレッチ性があって動きやすいものを
登山用のパンツ(ズボン)も揃えておきたい装備です。
パンツで重要なのは、アンダーウェア&Tシャツと同じく “速乾性” と 足を大きく動かせる “ストレッチ性”。
なので、スエットやジーンズはNGです。
これも、スポーツ用のものがあれば初めはそれで登ってもいいと思います。
僕は初期の頃スポーツ用のジャージで登ってました。
いま思うと “スポーツ用のTシャツ+ジャージ” で山を登っていたので、登山者には見えなかったと思います(笑)
防寒着 | ダウンかフリースがあるといい
ダウンやフリースのような防寒着もあったほうがいいです。
たとえ夏でも状況によっては寒くて防寒着を着るような場面が山では発生します。
山用の防寒着は軽くて性能もいいのですが高価なのが難点…。
もし、ユニクロのライトダウンやフリースが家にあれば、初めはそれで代用してもいいと思います。
ソックス:厚手で速乾性に優れたものを
足回りの装備として登山靴も重要ですが、ソックスも快適な登山のためには重要。
登山用のソックスは厚手で速乾性に優れたものを用意するのが基本です。
材質としてはメリノウールか化繊のものを選べばOK。
ちなみに、ソックスの厚みや材質によって登山靴の履き心地は変わります。
なので、本当は登山靴を買うときに登山用のソックスも合わせて買うのが理想。
買うものが増えるとお財布事情が苦しくなってしいまいますが、2,000円前後で良いものを購入できるので早めに靴とセットで買っちゃうのも手です。
個人的には5本指の製品が好きなのですが、取り扱いが少いのがいつも残念…。
手袋:あると何かと便利
手袋もあると便利です。
岩場や鎖場など手を使う場面で重宝します。
軍手でも代用可能ですが、防水性がないので雨が降ったときはビショビショになります…。
最近はホームセンターやワークマンで安くて良さげなアウトドアで使えそうな手袋を売っているので、まずはそこから選んでもいいかもです。
帽子:かぶると一気に登山者感が増す
帽子は紫外線から肌を守ってくれますし、頭の怪我を予防してくれます。
とりあえず、初めは家にある帽子を使えばいいと思います。
登山の場合は、360℃日差しを遮ってくれるハットタイプをかぶる人が多い印象。
僕はハットは好きではないので、キャップタイプを使っていますが。
どちらも大ハズレではないので好みで選んでください。
余談ですが、登山用のハットをかぶると一気に登山者感が増す感じがします(笑)
モバイルバッテリー:かなり重要
もしかすると、「あったほうがいいシリーズ」でこれが一番重要かもしれません。
モバイルバッテリーは登山をする際に持参することを強くオススメします。
地図をアプリでだけ用意しているとスマホの電池が切れると詰みます。
それに、“もしも” のときの緊急用の連絡手段としてもスマホのバッテリーは切らしたくありません。
日帰りで3~4時間ぐらいの登山でも、スマホの予備バッテリーは必ず持参しておいたほうが良いです。
モバイルバッテリーは、すでに持っている人が多いと思うのでそれを使えばOKかと。
余裕があるならこんな装備も…
他にも「こんな装備があると、もっと快適に登山ができる」というものをザッとご紹介します。
- ストック
→手がふさがってしまうのが難点ですが、あると楽です。 - サングラス
→もし高山(と雪山)に行くなら絶対にあったほうがいい。ないと目がやばいことになります。 - ザックカバー
→荷物を雨から守ってくれます。もしザックカバーがなくても電子機器やダウンのように濡れてはいけない荷物はジップロックに入れれば濡らさずに済みます。 - サポートタイツ
→僕はぴちっとするのが嫌いで使いませんが「これがあると楽に歩けるんだよ!」ということで必ず履いている知人がいます。 - ゲイター
→スパッツともいう。足の裾まわりにつけるもので、雨や泥・石から守ってくれます。
と色々ありますが、これらの装備は登山を続けていくなかで必要に応じて揃えていけばいいと思います。
一気に揃えると相当な値段になっちゃいますしね(汗)
いきなり登山装備を買うのは厳しい場合はレンタルサービスもあり
ここまで色んな装備を紹介してきました。
でも、これらをぜんぶ登山メーカーのもので揃えようと思うと10万円以上かかってしまいます…。
富士山で一回しか使わないんだよなぁ…
とか
まずは実際の登山で試してみて購入を決めたいんだよなぁ…
という場合は、レンタルという手段もありなので検討してみてください。
まとめ:まずは「三種の神器+2」から揃えよう!
本記事では「登山を始めるときに揃えておきたい道具と装備」についてご紹介してきました!
ただ、これらの装備を一気に揃えるのは厳しいと思います…。
まずは以下の「三種の神器+2」から揃えて、あとは自宅にあるもので代用しつつ徐々に購入していってください。
- レインウェア
- 登山靴
- ザック
- ヘッドライト
- 地図
装備を購入するときは、お店で店員さんに相談しながら検討するのがオススメです!